厚生労働省は6日、ヘルパーらが高齢者の自宅に出向く訪問介護のうち、掃除や調理、買い物などの「生活援助サービス」について、要介護度の軽い人向けの給付を介護保険の対象から外す案を、先送りする方向で検討に入った。代わりに、増え続ける給付費の抑制は必要との考えから、事業者へ支払う介護報酬を2018年度の改定時に引き下げる方向だ。

 12日に開く審議会に示し、議論を求める。生活援助は重度の人を含め約80万人が利用。報酬が下がると、利用者にとっては自己負担(1~2割)分の支払いが減るメリットがあるが、質の低下を招く恐れもある。

 厚労省は財務省の求めで「要介護1、2」(計223万人)向けの生活援助を保険から除外し、市区町村の事業に移すことを検討してきた。しかし、より軽度の「要支援1、2」を対象とした訪問介護と通所介護を市区町村に移行中のため「まずは移行を着実に進め、検証した上で検討するべきだ」と判断した。

 介護保険の枠内にとどめ、要介護度に関係なく報酬を下げることで対応したい考えだ。人員基準などの要件を緩和し、低コストでサービス提供できるようにして、事業者に理解を求める。

 ただ、財務省は軽度者の自己負担割合を増やすなど、より強い給付抑制策を求めており、制度見直しの結論を出す年末まで調整が続きそうだ。

 生活援助を巡っては「軽度者の利用が多く、介護保険が家政婦代わりに使われている」との指摘がある一方、市民団体などは「ヘルパーは自立支援の役割も担っており、給付の縮小はかえって重度化を招く」「認知症の人が生活できなくなる」と強く反発している。【共同】

 ズーム 介護保険の生活援助 訪問介護サービスの一つで、掃除や調理、洗濯、買い物などをする。入浴や食事の介助、おむつ交換など利用者に直接触れる「身体介護」と区別した類型。45分以上の生活援助の場合、事業者に支払われる報酬は約2500円で、利用者の負担はその1~2割。「要介護1、2」で訪問介護を利用している人の半数程度は生活援助が中心だ。より軽度の「要支援1、2」の訪問介護は介護保険から切り離され、2015~17年度の間に市区町村事業へ移行することになっている。

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