富士通がパソコン事業を世界最大手の中国の聯想(レノボ)グループと統合する方向で調整していることが6日までに、分かった。分社化したパソコン事業にレノボが出資する案を軸に交渉を進める。国内のパソコン市場は縮小傾向が続いており、レノボと統合することで競争力の強化を目指す。富士通は6日、「本件を含めさまざまな可能性を検討している」とコメントを発表した。

 同日の東京株式市場では富士通株に買いが集まり、終値は前日比30円50銭高の568円70銭だった。

 「FMV」で知られる富士通のパソコンのブランドや、島根県出雲市と福島県伊達市にある工場は存続する方向で調整する。出資が実現した場合は、レノボが過半を握る方向だ。

 レノボはNECとパソコンの合弁会社を設立しており、日本市場でも3割程度の占有率を持つ。日本ではNECとレノボグループが首位で、富士通が2番手につけている。レノボは富士通と事業統合することで、日本での足場を固める狙いとみられる。

 NECとレノボ、富士通の国内での占有率を合計すると、5割近くになる見込みだ。

 富士通は今月下旬に今後の経営方針を発表する予定だ。レノボとの事業統合を方針に盛り込むべく交渉を進めるが、詰めるべき課題も残っており、合意には時間を要する可能性もある。

 富士通は東芝、ソニーから独立したVAIO(バイオ、長野県安曇野市)と統合交渉をしていたが、条件が折り合わず合意できなかった。その後、海外メーカーと交渉を進め、レノボが最有力となった。

 パソコンはスマートフォンやタブレット端末が普及したことで、個人向けを中心に需要が減少している。国内の大手電機各社は立て直しを迫られていた。

 ■聯想(レノボ)グループ 世界最大のパソコンメーカー。1984年に中国科学院の研究所の11人が設立した会社が前身。以前は「レジェンド」のブランドで知られていたが、2003年以降、英文社名やブランドを「レノボ」に統一した。05年には米IBMのパソコン事業を買収して事業規模を拡大した。

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