紅葉したハゼノキ

■座薬や軟こうの原料に

 秋の空に映える紅色のハゼノキ(櫨(はぜ)の木)。東南アジアから東アジアの温暖な地域に自生するウルシ科の落葉樹です。日本には(〓)を採取するための作物として天正期(1573~1592年)に伝えられました。

 本州の山地に見られるハゼノキは、栽培された一部が野生化したものと考えられています。たくさんの黄緑色の小花が咲くのは初夏。その花々が10月には1センチほどに丸く膨らみ、ほどなくすると褐色に熟します。外果皮がはがれてきたら採取し、蒸して、圧搾することで〓が作られます。

 生薬名を木〓(もくろう)といい、和〓燭(ろうそく)に加工するだけでなく、座薬や軟こう、せっけんやクレヨンなどの原料にも用いられます。また、鮮やかな黄色の心材(木の幹の内部)は、装飾材や木細工に。いち早く里山を飾る櫨紅葉が、日本の秋をより美しく彩ります。(中冨記念くすり博物館)

※〓は虫ヘンに鬣の髪を取る

このエントリーをはてなブックマークに追加