岩田和親衆院議員

■緊急事態条項は必要

 -政治家個人として改憲すべきと思うか。

 「改憲は自民党の党是でもあり、すべきという考えだ。改憲勢力が衆参両院で3分の2の議席を確保したことで強引に手続きが進むかのような見方もあるが、それは誤解だ。少なくとも党内や国会の雰囲気はそうではない。今は早期に憲法審査会を開き、議論を深めていくべき時期だ」

 -関心のある改正項目は何か。

 「『緊急事態条項』を加えるべきだと思う。テロや武力攻撃、大規模災害の発生と、衆議院の解散や参院選が重なる可能性はゼロではない。そういう時こそ国会が役割を果たせるよう、憲法で規定されている国会議員の任期を延長できるように備えておくべきだ」

 -緊急事態条項も明記された自民党憲法改正草案をどう評価するか。

 「党が正式に決めた草案なので党所属国会議員として尊重している。ただ、あくまで草案で、それ以上でも以下でもない。改憲手続き上も、憲法全文を置き換えることはできない。憲法審査会で項目ごとに絞り込み、逐条的に議論していくことになると思う」

 -野党は憲法審査会で議論を始める前提として、草案の撤回を求めている。

 「撤回しなければ議論が進まないというのは筋違いだ。むしろ、各党が自民党のように具体的な提案をすることが必要なのではないか。国会運営の駆け引き材料にされ、審査会が開かれないのはおかしい」

 -野党は集団的自衛権の行使を容認した安保関連法を違憲だと主張していて、今国会では再び論戦が交わされそうだ。

 「日本の存立が脅かされる場合など武力行使の新3要件を満たした場合、極めて限定的な形で集団的自衛権の行使を認めた。これらは憲法が求める平和主義の範囲内に収まり、整合性も取れている」

 -改憲草案は9条を改正し、国防軍を保持、集団的自衛権の行使も認める。

 「9条改正も大事なテーマだが、優先順位は高くないのかなと思う。平和安全法制の整備で当面の対応ができた。9条は最大の対立軸だが、戦争する国になるというのは誤解だ。自衛隊の位置付けを明記するのであって、平和主義を放棄することはあり得ない」

 -憲法改正は祖父、岸信介元首相もなし得なかった安倍首相の宿願とされる。

 「どうだろうか。政治家個人としての思いはともかく、総理大臣としては現実主義者だと思う。9条を最初の改正項目にすることはないし、3分の2の議席があるからと強引に発議を進めることもないはずだ。最終的に国民投票にかけられることの重みは、今国会での発言からも十分認識されていると感じている」

■略歴

 いわた・かずちか 43歳。佐賀県議を3期務め、2012年の衆院選で初当選、2期目。衆院国交委員会理事。自民党経産部会副部会長。佐賀市。

■憲法審査会

 憲法に関する総合的な調査や改正原案を審査する国会の機関。憲法改正手続きを定めた国民投票法に基づき2007年8月、衆参両院に設置された。衆参の議席数に応じて各党に委員が配分されている。

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