安倍政権が16日投開票の新潟県知事選に焦りの色をにじませ始めた。県内にある東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題が争点の一つになっており、与党系候補が敗れれば国の原発政策にも影響しかねないためだ。共産、生活、社民の3党は結束し再稼働阻止へ野党系候補を推薦。一方で、民進党は自主投票にとどまり、存在感が薄れている。【共同】

 「候補者は当初、油断していた。頭の下げ方が足りなかった」。自民党の古屋圭司選対委員長は7日、新潟県入りし、与党が推薦する前長岡市長の森民夫氏の支援者ら約100人を前に、引き締めを図った。

 自民党が実施した9月下旬の情勢調査で楽観ムードは一変。10月初めの調査では、野党系候補の医師米山隆一氏と「完全に横一線」(幹部)となり、党関係者は「かちかち山のタヌキだ。背中まで燃えている」と危機感をあらわにした。

■総力戦

 二階俊博幹事長は、通常なら地元県連が執る選挙戦の指揮を党本部直轄とし、国会開会中にもかかわらず新潟選出の国会議員は選挙に専念するよう指示。ベテラン議員は「安倍晋三首相の電話作戦も考えている」と総力戦で臨む決意を示した。

 政府、与党は東京電力に厳しい姿勢で臨んだ泉田裕彦知事の路線を継承する米山氏の当選を許せば「再稼働がさらに遠のくのは確実」(関係筋)と懸念を深めている。23日投開票の衆院東京10区、福岡6区両補欠選挙への影響も考慮し、知事選敗北は避けたい考えだ。

 「今回勝利すれば、新潟から日本を変えることになる」。共産党の志位和夫委員長は7日夕、JR新潟駅前で米山氏への支持を訴えた。新潟では、7月の参院選で野党統一候補が自民党公認の現職を破った「成功体験」(共産幹部)がある。

 志位氏の傍らには、生活の党の小沢一郎共同代表、社民党の福島瑞穂副党首が居並んだ。民進党は松野頼久衆院議員が「個人の資格」(松野氏)で駆け付けたが執行部の姿はない。

■あいまい

 自主投票となったのは、原発推進を掲げる地元の電力総連を傘下に持つ連合新潟が森氏支持に回ったからだ。4月の衆院北海道5区補欠選挙を皮切りに参院選、東京都知事選と続いた4党共闘の枠組みが崩れた。

 共産など3党は9月29日の告示後も民進党に秋波を送り続けたが、蓮舫代表は「原発はセンシティブな課題だ。政党対政党ではなく、県民がどう考えるかだ」とあいまいな発言に終始している。

 県知事選には森、米山両氏のほか、元団体職員三村誉一氏、行政書士後藤浩昌氏も立候補している。

=最前線= 

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