スポーツ庁は、2015年度体力・運動能力調査の結果を公表した。30年前に比べ、10代後半から30代の女性で運動する習慣のある人の割合が大幅に減り、30代女性は体力も低下傾向だった。一方、調査項目を点数化した75~79歳男女の合計点が、現行方式となった1998年度以降で最高となるなど、高齢者の体力は上向き傾向が続いた。

 スポーツ庁は「子育てのほか、働く女性が増えて、運動をする余裕がなくなってきているのではないか」と分析。忙しい中でも、運動習慣を身に付ける対策が必要だとしている。

 調査は昨年5~10月に実施し、6万5904人分の結果を集計した。選択項目を含め、握力や上体起こしなど6~19歳は8~9項目(80点満点)、20~79歳は6~7項目(60点満点)を調べた。

 週1日以上運動する人の割合を85年度と比較したところ、男性は一部を除き大きな変化はなかったが、女性は減少幅が大きく、特に17歳は85年度の69・0%より28ポイント以上低い40・7%だった。25~29歳で9・1ポイント、30~34歳で10・3ポイント、35~39歳で11・0ポイント低下するなど、40代前半まで全世代で下回った。

 35~39歳女性の合計点は、98年度で37・70点だったが、07年度は36・87点、15年度は36・01点と下降していた。

 一方、運動する習慣のある人の割合は、男女とも40代後半以降では85年度を上回った。割合はおおむね、世代が上がるにつれて上昇し、高齢者の健康志向は高まっている。65~69歳女性が41・91点、75~79歳男性が35・64点、同女性が35・19点と過去最高となった。

 青少年(6~19歳)は、青少年の体力がピークだったとされる85年度ごろと比べると、一部の項目を除いて依然低い水準だが、緩やかに向上。7歳女子の38・90点、9歳女子の51・05点、11歳女子の62・52点、19歳女子の51・34点が過去最高だった。

■時代の波も反映

 体力・運動能力調査のデータ分析に携わった内藤久士順天堂大教授(運動生理学)の話 子どものころに受験勉強やテレビゲームの普及などでスポーツから離れて体力が低かった世代が、今は仕事や子育てで忙しい世代になっている。一方、今の高齢者は1964年の東京五輪を機にスポーツに親しむようになり、体力が上がっていった世代だ。調査結果にはそうした時代の波も反映されている。ただ、健康の維持には、過去の運動経験よりも今の運動習慣が重要だということも明らかになったので、若い人たちは今からでも運動に取り組んでほしい。

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