食の一つのトレンドは健康志向だろう。それを満たすものとして、豆の味そのものが楽しめる豆乳が好まれている。高たんぱく低カロリーで美容効果やダイエットへの期待も後押ししている◆日本に中国(唐)から豆腐が伝わったのは奈良時代で、豆乳の原型の「豆腐羹(かん)」が禅宗の僧侶たちの食膳に出たのは鎌倉時代とされる。現代での最初のブームは1980年代だったが、今また盛り上がりを見せている◆豆乳は水に浸した大豆をすりつぶし、水を加え煮詰めて漉(こ)した汁だ。創業160年になる佐賀市唐人の「中溝豆腐」は早朝から活気がある。「肌がツルツルになる」と出来たての豆乳を求める客が増えており、マイボトルを持参し2リットルを買っていく常連もいる◆店頭に立つ中溝章子(あやこ)さん(71)は「良質の大豆をたっぷり使って濃く作る」と秘訣(ひけつ)を話す。濃度が高い分、大豆の香りと味が立つ。この「無調整豆乳」だけでなく、近ごろスーパーには、バナナやイチゴなど果汁や甘みを加えた飲料も並び、目移りするほどだ◆チェーン店「スターバックス」でも商品を展開する。「ソイラテ」は豆乳と苦味のあるエスプレッソを混ぜたもので、「美」に関心の高い女性に受けているという。これからの季節、定番の鍋にも「豆乳鍋」があり、このブームは続きそうだ。きょうは「豆乳の日」。(章)

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