大人3人が肩車をして演じる三段継。獅子頭から取れた紙垂は3枚が「吉」とされる=佐賀市諸富町の新北神社

修復された肥前鳥居を出発するみこしの行列

 早朝の新北神社(佐賀市諸富町)の参道から、お囃子(はやし)が聞こえてくる。石造りの鳥居をくぐると、樹齢2200年のご神木のビャクシンとクスの巨木の間で、県重要無形民俗文化財の「三重の獅子舞」が奉納されていた。

 頭に紙垂(しで)をつけた赤と青の2匹の獅子が、笛や太鼓に合わせて激しく頭を振っている。肩車をして獅子頭を動かす「二段継」や、3人が肩車をする「三段継」など、曲芸的な所作が取り入れられた全国でも珍しい獅子舞が観客を魅了した。

 今年4月に発生した熊本地震で、新北神社の社殿と四つある石の鳥居も被害を受けた。一の鳥居と、1609年に鍋島直茂により寄付された肥前鳥居が崩落し、柱だけが残る惨状に。秋の大祭に向け、難しい復元作業が急ピッチで進められてきた。

 獅子舞役の青壮年や獅子使い役の子どもたちは、祭りに向けて毎年8月から練習を始める。「600年続く伝統を守るため奉仕してくれる氏子の皆さんに助けられています」と、宮司の川浪勝英さんは感謝する。

 神様がみこしにお移りになる「御発幸」の神事を終えると、200人からなる大行列が地域を練り歩く。

(地域リポーター・富崎喜代美=佐賀市)

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