鳥栖市の避難所へ向けてバスに乗り込む宇木地区の住民たち=唐津市の宇木公民館

■九州道で渋滞「事故なら…」

 玄海原発から約22キロ離れた唐津市宇木の4地区では、福岡県を通って鳥栖市まで広域避難する訓練を初めて実施し、88キロの移動に約2時間かかった。途中で渋滞に巻き込まれ、「原発事故が起こったらもっと混雑するはず」との懸念も漏れた。

 県境越えのルートは佐賀、福岡両県が3月に合意した内容に基づき実施した。4地区は宇木上、宇木中、宇木下、東宇木地区で、避難先の県東部まで抜けるには国道203号や、323号で七山や北山を通るのが主要ルート。

 この日は午前10時半すぎ、自家用車での避難が困難と仮定した住民43人を乗せて大型バス1台が集合場所の宇木公民館を出発した。二丈浜玉道路や福岡県の都市高速、筑紫野バイパスなどを経て、鳥栖市の若葉小まで避難した。

 最終的に予定時間通りだったものの、終盤の九州自動車道で渋滞が発生し20分程度「ノロノロ運転」となった。4歳の孫と参加した手島千代美さん(59)は「万が一の時は、皆一斉に避難して、どのルートも思うように動かないないのでは」と心配そうに語った。

 堤正廣区長(66)は「山越えの道路では季節によっては凍結などの恐れもあるし、避難ルートが増えること自体はいい。ただ、ヘリや船などの利用も考えたり、隣県都市と情報交換したりすることももっと必要では」と指摘した。

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