定期船「荒神丸」に乗船して避難する神集島の島民=唐津市神集島

■「定期船使うかどうか」

 玄海原発から12キロ離れた唐津市神集島では、定期船「荒神丸」を臨時運行して避難した。今年3月に佐賀県と県旅客船協会が締結した協定書による初の訓練で、漁船を持つ島民が多い中、共同歩調が取れるかどうかが鍵になる。

 協定に基づく最新の避難計画では、約600メートル離れた唐津市湊の港まで荒神丸(定員99人)の通常ルートを往復し、その後はバスで佐賀市へ移る。訓練では荒神丸のほか、唐津海上保安部と民間の水難救済会の3隻が協力し、30人を湊まで運んだ。

 島民は現在363人で、漁船は約70隻。現計画も漁船や(上陸後の)マイカーを否定するものではないが、漁業者の岩本一孝さん(53)は「定期船で逃げる認識はまだない。その時、定期船がいるかどうか分からない」と実効性に首をかしげる。

 仮に離島の漁船が「われ先に」と行動すれば、船着き場が不足する可能性がある。県旅客船協会の清水奉代事務局長(43)は「できるだけまとまって逃げてもらいたい。各事業者とも自分たちが逃がさなければいけないと高い意識を持っている」と強調。どの航路も始発は島発で、基本的には島の住民が乗組員で夜中でも対応できるという。

 このほか、訓練では段階的に屋内避難準備、屋内避難、避難指示と防災無線で島中に放送されたが、風向きで聞こえにくいと課題も見えた。高崎正幸区長(64)は「各個人宅に防災無線を取り付けられれば」と話していた。

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