串地区(手前)から海を隔てて見える九州電力玄海原発=唐津市鎮西町

 九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)に隣接する唐津市鎮西町串地区の住民が、使用済み核燃料を一時的に貯蔵する施設を事実上誘致する意向を示した要望書を、唐津市に提出していたことが12日、佐賀新聞社の取材で分かった。市は近く議会に報告した上で佐賀県と九電に伝える。再稼働の審査が最終盤を迎える中、九電は既に乾式貯蔵施設の設置を検討しており、今後論議を呼びそうだ。

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 九電が検討を進める乾式貯蔵施設は、原発敷地外に造れば数十年保管する中間貯蔵施設の位置付けとなる。使用済み核燃料を発電所内のプールで一定期間冷やした後、特殊な金属製の容器(キャスク)に入れて施設内に並べ、電気を使わずに自然の空気の流れで冷却する。その後、随時、青森県六ケ所村の再処理工場に搬出される。

 串地区は、玄海原発から海を隔てて北東約500メートルに位置し、住民は9月末現在で255人。要望書は、住民でつくる「原子力環境整備協力会(仮)」が唐津市長宛てに作成し、周辺の地権者30人以上が署名、押印している。

 要望書では、九電が検討している乾式貯蔵施設について「福島の状況を見るにあたり立地、自治体の垣根を越えて、協力が必要」と指摘している。串地区には多くの山林や耕作放棄地があり「(九電など事業者から)設置計画の要望があれば、協力の準備ができている」としている。

 協力会の古舘初美代表は「原発までの距離を考えると乾式貯蔵施設が敷地内にあっても串地区にあっても同じ。それなら地域の将来のために耕作放棄地を使ってほしい」と話す。

 要望書は8月上旬、代表ら数人が岡本憲幸副市長に渡した。岡本副市長は取材に対し「住民から協力の申し入れがあったので預かった。適切な時期に市議会や県、九電に伝える」と述べた。

 使用済み核燃料対策を巡り九電は昨年11月、経産省で開かれた会合で、玄海原発と川内原発(鹿児島県)のそれぞれの敷地内で乾式貯蔵施設の検討を進めていることを示したが、県や玄海町に事前連絡をしておらず批判を浴びた。その後、県議会などには設置場所について「敷地内外で検討している」と説明している。

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