グッドデザイン賞に選ばれた富久千代酒造のギャラリーをデザインした平瀬有人准教授(右)と飯盛直喜社長。「日本酒になじみの薄い若者世代を引き込みたい」と期待を込める=鹿島市

■精米所改装ギャラリーに 土壁と鉄板で現代的装い

 日本デザイン振興会が選定する2016年度のグッドデザイン賞に、富久千代酒造(鹿島市、飯盛直喜社長)が精米所を改装して新設したギャラリーが選ばれた。“伝統と革新”をテーマに昔ながらの土壁に新素材の鉄板を組み合わせ、現代的な装いに仕上げていることが評価された。

 同酒造の精米所は1921(大正10)年に建てられた。主力酒「鍋島」が世界的な賞を受け、見学者が増加したこともあり、日本酒の試飲も楽しめるギャラリーとして2014年に開設した。

 建築デザインは佐賀大大学院都市工学専攻の平瀬有人准教授と「yHa architects」(福岡市、平瀬祐子代表)が担当。吹き抜けのある2階建て(延べ床面積約200平方メートル)で、1階の展示ギャラリーには酒造機械を改造したカウンターがある。2階は見学客がくつろげるスペースになっている。

 精米所は登録有形文化財で、改築には制限があり、内装には土壁をそのまま活用。構造補強として新素材「黒皮鉄板」を組み合わせており、平瀬准教授は「時間がたつにつれて“味”が出るようにした」と語る。壁に正方形の穴を開け、空間に広がりを持たせる工夫も施している。

 飯盛社長は「ギャラリーが日本酒になじみの薄い若者世代を引き込み、情報発信の役割を果たしてくれれば」と期待を込める。

 本年度のグッドデザイン賞には全国から4085件の応募があり、818社の1229件が選ばれた。県関係では、神埼郡吉野ケ里町にサービスセンターがあるユニバーサル・サウンドデザイン(本社・東京都)の難聴者用スピーカー「comuoon(コミューン)シリーズ」も選ばれた。

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