■ママも手入れを忘れずに

 最近、妊娠線予防に取り組む妊婦さんが増えています。6割以上の妊婦さんが予防をしているという報告もあります。「妊娠線は赤ちゃんを産んだ勲章」だといわれて我慢してきた世代には、うらやましい話かもしれません。

 妊娠線は皮下脂肪の増加や、大きくなる子宮によって腹部が伸展し、皮膚の弾性繊維が切断され、皮膚にひび割れ状の赤み、もしくは紫色をおびた線として現れます。

 予防法としては、急激に体重が増えないように管理すること、肌の弾力を保つために保湿を行うことが重要です。

 妊娠中だけでなく、産後にも肌トラブルがみられます。急激な女性ホルモンの減少や寝不足なども重なって肌のバリア機能が低下します。湿疹や皮膚炎、乾燥肌で悩んでいる人も少なくありません。産後のスキンケアでも大切なのは保湿をすることです。

 しかし、妊娠中からスキンケアの意識が高かった人でも、産後は育児に追われて自分自身をケアするゆとりがなくなってしまいます。赤ちゃんのスキンケアは十分にできているのに、ママの手は、ところどころ切れていたり少し荒れていたりしているのを見掛けます。赤ちゃんは何も言いませんが、「ママのことも大切にしてね」と思っているかもしれませんね。

 赤ちゃんにとっても保湿は重要です。生まれた直後から皮膚の保湿を続けると、アトピー性皮膚炎になるリスクを約3割下げられるという報告があります(国立成育医療研究センター)。

 秋も深まり涼しくなりましたが、この時期は肌が乾燥し、皮膚トラブルを起こしやすくなります。お風呂上がりは早めに保湿をすると効果的です。妊娠出産を機に家族全体でスキンケアに取り組み、健康家族を目指しましょう。

(佐賀大学医学部看護学科・生涯発達看護学講座 佐藤珠美教授)

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