佐賀空港へのオスプレイ配備計画を巡る議論が進む最中、国の最高権力者である首相が放った「(米軍の)訓練の一部は佐賀で行うということで進めている」との発言。佐賀県内の関係者からは「現場を混乱させるだけ」「政府と地域の隔たりを感じる」など不信や困惑の声が相次いだ。

 特別委員会などで議論してきた県議会。自民党県連幹事長の土井敏行県議は「とにかく党本部を通じて発言の真意を確認したい」とした上で「地域の現状を確認して発言を慎重にしていただきたい」と注文した。公明党県本部代表の中本正一県議は「首相の言葉だけに非常に重い。防衛省による地元への説明会が終わった中で住民に誤解を与えかねない」と指摘する。自民のベテラン県議も「米軍利用の芽がなくなっていないと勘ぐられても仕方ない発言だ」と今後の議論への影響を懸念した。

 11日に防衛省から地権者となる漁業者代表が説明を受けたばかりの佐賀県有明海漁協。徳永重昭組合長は「今までの説明の中でも将来的な米軍利用を明確に否定しなかったので、やはりそうかと。国営諫早湾干拓事業の和解協議と同じで、何かうやむやにしながら話が進められているのかもしれない」といぶかった。ただ「受け入れの可否の判断への影響に直接影響はしない。まずは首相発言の真意を知りたい」と冷静に受け止めた。

 佐賀市の秀島敏行市長は、中谷元・前防衛相による米軍の訓練移転要請の取り下げを挙げて「約束に関わる大事なことだ。政府が(佐賀空港の米軍利用について)統一的な見解を持っているのか、ばらばらなのか。県を通じて事実関係を確認したい」と述べた。

 計画に反対する地域住民の会の古賀初次会長は「米軍利用の要請は取り下げると言っていたが、実際には佐賀への訓練移転を念頭に置いているということだ。地域で米軍利用に懸念がある中、火に油を注ぐような発言で、政府と地域の隔たりを感じる。不信感はさらに強まった」と憤った。

【安倍首相答弁内容】参院予算委員会(13日)でのやりとり

 儀間光男議員(日本維新の会)

 総理も「(辺野古移設が)唯一だ」と言っているが、県も「反対が唯一だ」と言っており、言い合っている間は一歩も動かない。総理、勇気を持って総理の時代にこれを元に戻して、もう一度話をすることは考えられないのか。

 安倍晋三首相

 私たちの立場としても負担軽減に向けて着実に一つ一つ前進させている。普天間の空中給油機15機についても、山口県の岩国基地に全部移駐した。訓練の一部は佐賀で行うということで進めているわけで、オスプレイの整備は千葉県の木更津で行うということも進めつつ、一つ一つ着実に負担の軽減は進めている。

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