新規就農者の推移2016

市町やJAの担当者が集まった7日の会議では、新規就農者の確保や育成をテーマに情報交換した=佐賀市の県教育会館

■大学と連携、移住者獲得

 農業の担い手減少に歯止めをかけようと、佐賀県が新規就農者の確保や育成に本腰を入れている。県内農家の後継者育成に加え、見据えているのは、県外や他分野からの人材確保。研修拠点となる「トレーニングファーム」を整備するほか、首都圏の農業大学の大学生らをインターンシップで受け入れ、将来の移住者獲得を目指す。地域一体となって就農希望者をサポートする体制を構築する。

 佐賀県内の新規就農者は、数年前までは160~180人程度で推移していたが、昨年は135人で、今年は124人となっている。実家が農家で他の仕事を経験してから就農する「Uターン」や、農業法人に就業する人の減少が目立ち、県農産課は「経済状況や他産業の雇用情勢が比較的上向きであることも影響している」と話す。

 打開策の一つとして、佐賀県は県外からの人材確保にも着目している。9月補正予算では、首都圏などの大学生を対象にした農業分野へのインターンシップを新規事業に盛り込み、県内の農業高校生らへの情報発信事業と合わせて約630万円を組んだ。

 本年度は来年2~3月、試験的に東京農大の学生が研修。来年度以降は大学生を年間十数人程度、1週間以内で受け入れる方針。研修先は高い生産技術を持つ施設園芸農家や、佐賀の特産品であるタマネギ、レンコン、畜産などの農家も想定している。

 佐賀市や武雄市では、就農希望者の研修拠点トレーニングファームの来年度からの運用に向けて準備を進めている。自治体や農協、生産部会などが県内外の希望者を一体的に支援するもので、インターンを経験し、移住を希望する学生の活用も視野に入れる。

 今月7日には、各市町やJA、農業改良普及センターなどの担当者約80人が集まり、新規就農者確保をテーマに会議も開いた。杵島郡白石町で取り組まれている農業塾の事例報告などがあり、参加者からは「就農後の対策も重要。途中でリタイアさせないため、数値目標や将来像をしっかり描き育てなければならない」「農家の子や孫が継続して就農できるように支援すべき」との声が上がった。

 県農産課は「就農者が高い技術と経営力のある篤農家となり、新たな就農希望者を育てる流れをつくり上げたい。こうした好循環や連鎖を5~10年間でつくっていきたい」と力を込める。

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