「残心は勝負が決してからの心のあり方を示す。武士道が武道の本質をなす理念ならば、残心は武道において最も根源的にして重要な教えといっていい」-。「心を残す」とも読める美しい言葉の意味を説く、この格調高い文章は日本人の手によるものではない◆ニュージーランド人の武道家で、関西大学教授アレック・ベネットさんの著書『日本人の知らない武士道』(文春新書)から引いた。剣道7段、なぎなた5段、居合道5段などの腕前で「武道合わせて19段」◆剣道を始めたきっかけが面白い。高校時代に交換留学生として来日した。剣道を見かけた印象を「スターウォーズみたいで。先生が本当に怖い人でダースベイダー役ですね。それに部員たちが必死でかかっていく」と語る◆佐賀藩士・山本常朝が武士の心得を説いた『葉隠』の「死ぬことと見つけたり」。ベネットさんは「『葉隠』が説く燃え上がる死の裏側には、燃え上がる生が一体となってある。死が中心テーマのように見えるが、武士が真に見つめているのは生き方だった」と解説する◆きょう16日午後1時半から、佐賀市の佐賀大学で開かれる「葉隠国際シンポ」(入場無料)にベネットさんが登壇する。テーマは「世界の人に葉隠のこころを」。ニュージーランドのサムライは、葉隠の地で何を語るだろうか。(史)

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