水中に沈んだ車=9日午前10時半ごろ、佐賀市高木瀬長瀬の多布施川

 9日午前7時45分ごろ、佐賀市高木瀬町長瀬の多布施川(幅約6メートル、水深約1メートル)で、軽乗用車が転落し流されているのを通勤中の男性が発見。川に飛び込んで車内の男女2人をたった一人で助け出した。車は水圧でドアが開かず、逃げようとした窓から水が流れ込み水没寸前。間一髪の救出劇だった。

 救出したのは佐賀工業専門学校講師山田健太郎さん(26)=同市金立町=。川沿いを車で通勤中、転落した車を発見。中から「助けて」と叫び声が聞こえた。運転席の女性はパニック状態。逃げようと窓を開けたため、車内に水が勢いよく流れ込み、一気に沈みだした。

 山田さんは119番でレスキュー隊を呼び、すぐさま川に飛び込んだ。専門学校で自動車整備を指導する仕事柄、「水圧でドアが開かない可能性もある。窓を壊すため、潜って石を探すことも頭によぎった」というが、足で踏ん張って何とかドアをこじ開けた。

 川の深さは首まであり、流されそうになりながらも、女性の肩を抱え必死で岸までたどり着いた。さらにもう一度、車に戻って残る男性も救出。時間にして約10分間。「とにかく夢中だった」という山田さんは「人の役に立てたと思うとうれしい」と、ほっとした表情だった。

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