東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な無所属新人の米山隆一氏(49)が初当選を果たした16日の新潟県知事選。一夜明けた17日、再稼働を目指す九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)の審査が最終盤にある佐賀県内の首長は冷静に受け止め、鹿児島県知事選に続く脱原発派知事の誕生に、市民団体は「これが民意」と力を込めた。

 この日、県内首長に玄海原発再稼働に関する意見を聞いた山口祥義知事は「さまざまな県政課題がある中で(原発再稼働の)一つの争点で決まったように見えた」と感想。自らの判断との関係では「実直に問題と向き合い、まっすぐにやるだけ」と話し、影響しないとの考えを示した。

 玄海原発が立地する玄海町の岸本英雄町長は、米山氏が再稼働に慎重な泉田裕彦知事の路線を引き継ぐことから「状況は今と変わらない」。玄海原発再稼働への影響については「あくまで国の審査にかかっている」と淡々と答えた。

 再稼働反対を表明している伊万里市の塚部芳和市長は「原発に不安を抱える民意が票につながった。再稼働反対の世論が形になった」と主張した。

 反原発団体は一様に選挙結果を歓迎した。東電の原発は福島県と新潟県にあり、“拠点”とも言える新潟での勝利に、「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」の石丸初美代表は「原発はもういらないという証明。佐賀も学ぶべき」と訴える。

 玄海原発の操業差し止めを求める訴訟の長谷川照原告団団長(元佐賀大学長)は「福島第1原発事故から5年以上過ぎても、原発への不安を拭えず脱原発を考える住民が多い実態が選挙で示されている。他の原発でも再稼働を進めるのが難しくなるはず」と強調した。

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