新潟県知事選で初当選した米山隆一氏(49)は17日、新潟県魚沼市で記者団に、東京電力柏崎刈羽原発に関し「県民の命と暮らしが守られない現状において、再稼働は認められない」と改めて強調した。再稼働を前提に、東電の経営改革と福島第1原発事故の支援策づくりへ短期決着を目指す経済産業省の思惑は狂い始めた。東電経営の先行きが一段と見通せなくなってきた。

 安倍晋三首相は17日の衆院環太平洋連携協定(TPP)特別委員会で、与党推薦候補が敗れたことに「大変残念だが、県民の選択は真摯(しんし)に受け止めたい」と述べた。

 一方、米山氏は再稼働そのものについて「閉ざすつもりはない」と語り、政府の推進姿勢に関し「単なる対決にしてはいけない。理性的で合理的な議論ができると思っている」との認識を示した。

 世耕弘成経産相は17日、記者団に「次期知事の意見を聞きながら、対応を考えたい」と説明。東電ホールディングスの首脳は次期知事と会談したいとの意向を示した。知事就任後にも県側に会談の機会を求めるとみられる。

 東電を巡っては、福島第1原発事故の処理費用が想定の11兆円から上振れする見通しで経営問題が再燃している。経産省は今月5日に、有識者や経済界の要人がそろう「東電改革・1F(福島第1原発)問題委員会」の初会合を開き、消費者が廃炉費用を負担する支援策や、他の大手電力との事業再編を中心に議論を開始した。

 こうした議論は、電力自由化の競争下でも収益を上げられる体制にするのが前提で、収益改善が見込める柏崎刈羽原発再稼働は欠かせないが、知事による同意は難航しそうだ。

 経産省は12月中旬にも東電改革と支援の方向性を取りまとめ、来年1月に現行の再建計画「新総合特別事業計画」を改定する方針。【共同】

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