日銀は17日、10月の地域経済報告(さくらリポート)を発表し、全国9地域のうち中国と九州・沖縄で景気判断を引き上げた。三菱自動車の燃費不正問題や熊本地震の悪影響が後退した。一方、輸出企業の多い東海は円高基調が響き、判断を引き下げた。他の6地域は据え置いた。

 日銀の黒田東彦総裁は報告発表に先立って開かれた支店長会議で、政策目標をお金の「量」から「金利」に転換したことを強調し、2%の物価上昇目標の実現に向け「今後も必要な政策の調整を行う」と述べた。

 新興国経済の減速で先行き不透明感は強まっているが、日銀は地域経済報告で「所得から支出への前向きな循環が働いている」と説明。いずれの地域も景気は「拡大」や「回復」しているとの認識を示した。

 中国は、三菱自動車が岡山県倉敷市の水島製作所で停止していた軽自動車の生産再開を受け「緩やかに回復している」に上方修正した。九州・沖縄は、熊本地震で被災した企業の操業再開や観光支援策の実施などを背景に「地震の影響が和らぐもとで、緩やかに回復している」に引き上げた。

 東海は、円高基調による自動車などの輸出企業の収益圧迫で下方修正した。引き下げは2013年1月以来、3年9カ月ぶり。

 個別の判断項目では、政府による予算の前倒し執行に伴い、公共投資を北海道や北陸など6地域で引き上げた。住宅投資は日銀のマイナス金利政策による住宅ローン金利の低下で、北陸や関東甲信越など4地域で引き上げた。多くの地域で賃貸住宅の着工件数は増えているが、企業には「今後の持続性を慎重に見極める」など不動産バブルを警戒する声もあったという。【共同】

このエントリーをはてなブックマークに追加