諫早湾干拓の開門をめぐる訴訟の和解協議で示された基金案の受け入れを投票で決定した熊本県漁連の組合長会議=熊本市の同漁連

 国営諫早湾干拓の開門を巡る訴訟の和解協議で示されている総額100億円の基金案について、熊本県漁連は28日、熊本市の本所で組合長会議を開き、投票で賛成多数だったとして受け入れる方針を決めた。上田浩次会長は「開門の手は降ろしたくはないが、一日も早い有明海再生を望んだということ」と理由を述べた。

 開門を求めていた佐賀、熊本、福岡の3県の漁業団体のうち、佐賀を除く両県が、開門をしない前提の基金案受け入れに回った形になった。

 会議は非公開。基金案について賛成、反対双方の意見を述べた後、沿岸19組合長による投票を行い、賛成14、反対4(棄権1)だった。上田会長は記者団に「国への回答は『受け入れる』に○を付けて、賛成、反対双方の意見を添えて提出する」と明言した。

 21日に開門を求めていく方針で一致した佐賀、福岡も含めた3県協議との整合性では、「苦渋の決断」と強調した。「開門は有明海再生の手段の一つに変わりはない」とし、仮に基金案が成案とならない場合には、再び開門を求める可能性も示唆した。

 熊本県漁連が正式に基金案容認に転じたことに対し、佐賀県有明海漁協の徳永重昭組合長は取材に「佐賀としての方針は変わらない」とした上で、「先を見通すことが難しくなったが、別々の回答になったとしても何とかして一致点を探って訴えていきたい」と語った。年明けにも3県漁協・漁連のトップが集まり、再度協議する。

 和解協議で長崎地裁は、国を通じて基金案への賛否を1月17日の次回協議までに回答するよう、4県と4漁業団体に求めている。

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