日本鋳鍛鋼が原子炉圧力容器の上ぶたなどを製造した原発

 フランスの原発で重要設備の強度不足が指摘された問題で、設備を製造した大型鋳鋼品メーカー「日本鋳鍛鋼(ちゅうたんこう)」(北九州市)は19日、原子力規制委員会の定例会合に提出した資料で、国内の原発向けに製造した重要設備では強度不足の可能性は低いと説明した。

 同社は、フランス向けの製品では、材料となる鋼鉄の塊から強度不足につながる炭素濃度が高い部分を切除する量が少なかったことなどから、濃度が基準値を超える可能性があると認めた。日本向け製品は、濃度の高い部分を十分に切除するなど「濃度が高くなりにくい製法になっている」と説明した。日本鋳鍛鋼以外の鍛造部品メーカー2社も同様の報告をした。

 規制委の田中俊一委員長は記者会見で、同社製部品を使用している国内原発への対応について「データがしっかり出てこないうちは拙速に判断しない」と述べ、強度不足の有無に関する電力会社からの調査報告を受け、慎重に判断する方針を示した。電力会社は今月末までに報告する。

 また、規制委は会合で、廃炉となった関西電力美浜2号機(福井県)と九州電力玄海1号機(東松浦郡玄海町)でも、フランスで強度不足が指摘されたのと同じ「鍛造」という製法で、日本鋳鍛鋼が原子炉圧力容器の上ぶたを製造していたことを明らかにした。

 これまでの調査で、同社が九電川内1、2号機(鹿児島県)など8原発13基の原子炉圧力容器を製造したことが判明していたが、規制委は廃炉となった原発についても、日本鋳鍛鋼が重要設備を製造していたか報告するよう電力会社に求めていた。規制委はこのうち川内の2基を除く7原発11基の圧力容器の上ぶたなどに注目して調査を進めている。フランス原子力安全局が6月、同国内で運転中の原発18基の重要設備に強度不足の疑いがあると発表。規制委も国内の調査に乗り出した。【共同】

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