約6時間遅れで開会した衆院TPP特別委で謝罪する山本農相=19日午後

 山本有二農相は18日、東京都内で開かれた佐藤勉衆院議院運営委員長(自民党)のパーティーで、環太平洋連携協定(TPP)承認案の審議を巡り「強行採決するかどうかは佐藤氏が決める」と述べた。強行採決も選択肢になると受け取れる発言。19日の衆院TPP特別委員会で「ご迷惑を掛けた。撤回し、おわび申し上げる」と謝罪した。菅義偉官房長官は山本氏に電話で「誤解を生じかねない」として厳重注意した。野党は反発した。

 民進党は山本氏の辞任を要求したのに対し、自民党は拒否。特別委は同日夜、民進、共産両党が質疑に応じないまま約6時間遅れで開会した。

 菅氏は19日の記者会見で「辞任するような話ではない」と述べ、続投させる方針を示した。TPP承認案の審議に関しては「緊張感を持って丁寧に進めたい」としつつ「一定の審議時間があれば、粛々と対応していくのが国会の慣例だ」とした。

 政府、与党内には今月中の衆院通過を目指す審議日程への影響を懸念する声もある。

 民進党の安住淳代表代行は会見で「審議を妨害するような発言を、なぜ担当閣僚がするのか」と反発。共産党の穀田恵二国対委員長は会見で「発言の根本にあるのが審議軽視だ。数の力で通せるとのおごりがある」と指摘し、安倍晋三首相の任命責任も追及する考えを示した。

 これに先立ち、自民党の二階俊博幹事長は菅氏に電話で「内閣としても緊張感を持ってやってほしい」と申し入れ、菅氏は「党に迷惑を掛けて申し訳ない」と陳謝した。

 公明党の井上義久幹事長は二階氏と会談し、発言を問題視し対応を求めた。山口那津男代表も党会合で「円満審議を妨げるような発言だ。厳に慎むべきだ」と表明した。【共同】

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