原発の使用済み核燃料を一時的に貯蔵する施設の建設に協力する意向を示していた唐津市鎮西町串地区の住民グループが、市に提出していた要望書を取り下げたことが20日、分かった。地区全体の同意がないまま誘致計画を進めたことに対し、理解が得られなかったためとしている。

 住民グループ代表の古舘初美さん(68)は「耕作放棄地を有効活用し、地区のためになればという思いだけだったが、(同意の)印鑑をもらった人に迷惑をかけてしまい申し訳ない。今後、若い人たちがどう考えるかは分からないが、私自身が行動することはない」と述べた。

 串地区は九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)に近接し、住民は255人(9月末現在)。要望書では、九電が検討を進める乾式貯蔵施設を設置する際には、地区内の山林や耕作放棄地を提供して協力する考えを示している。地権者30人以上が署名、押印し、8月上旬に市に提出した。

 13日の報道後、住民からは誘致への理解の一方で、「福島の問題が解決していない中、これ以上危険なものを持ってきてほしくない」という反対の声も上がっていた。地区の集会や役員会で賛否を問わないまま、個別に署名を集めたことへの不信感もくすぶっていた。

 串地区は14、18日に2度の役員会(10人)を開き、区の総意を得るための手順が踏まれていないとして、要望書の取り下げを求める決定をした。

 古舘さんは19日、唐津市の岡本憲幸副市長に取り下げ願を提出した。市は要望書について21日に県に説明する予定にしていたが、取り下げたことを含めて報告する。

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