「陶芸の道、その心」と題し、これまでの陶芸人生を話す人間国宝の井上萬二さん=西松浦郡有田町の炎の博記念堂

■「技術と創造両方大切」

 有田焼創業400年記念式典では、白磁の人間国宝、井上萬二さん(87)が「陶芸の道、その心」のテーマで記念講演した。井上さんは伝統の技を積み重ねた先人に感謝を示し、「400年は原点に返れという年ではないか」と語った。

 井上さんは酒井田柿右衛門窯での修業や、師である奥川忠右衛門さんとの出会い、県立有田窯業試験場で技官として勤務した経験などを語り、修練に徹することの大切さを訴えた。

 その上で「作る技術があっても創造するセンスがないとだめ」と指摘。米国ペンシルベニア州立大の講師や欧州視察など、海外の美意識に触れたことを紹介し、「センスを磨く上で、和と洋の美意識を融合していくことは勉強になった」と振り返った。

 世界・炎の博覧会が行われた20年前から1年に20点の新作に挑み、400年の年に400点に達した。「人間は常に挑戦し、創造していかなくてはならない」。はつらつとした声が会場に響いた。

 後継者育成や日本文化を海外に伝える課題を「私たちの責務」と強調し、「有田でいい焼き物が誕生し、ありがたい環境に恵まれ、その仕事で生活できているのは、先人のおかげだと常に考えなければいけない」と結んだ。

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