浦一智さんが投げるフリスビーを追いかけようと駆け出す「博士」=10月9日、福岡県大牟田市のJFA全日本フリスビードッグ公式選手権レトリーブ大会

殺処分直前の境遇からフリスビードッグになった「博士」を支えるNPO法人アニマルライブの岩﨑ひろみ理事長(左)と浦一智さん

 殺処分直前に、動物愛護のNPO法人アニマルライブ(伊万里市黒川町)に引き取られた雑種犬「博士(はかせ)」が、フリスビードッグ競技で活躍している。9月に初心者クラスでデビューし、3戦で2勝を達成した。関係者は「全国の保護犬の希望の星」と喜ぶ。

 博士は2014年6月ごろ、青森県の動物管理センターに保護された。一定期間が過ぎても飼い主が現れず、翌日に殺処分されるというときに、アニマルライブがボランティアから情報を伝え聞いて引き取った。伊万里に来てからは市民向けの譲渡会に何度か出たが、雑種で成犬(推定5歳)だったため人気がなく、全く声がかからなかった。

 捨てられた犬は人間を警戒し、手を焼くケースが少なくないが、博士は人懐こく、賢さも感じさせた。木の枝を投げると喜んで取りに走り、「もっと投げて」とねだる姿がドッグトレーナーの目に留まり、フリスビードッグを目指すことになった。アニマルライブのメンバーで、トレーナーの勉強をしている浦一智さん(51)=長崎県大村市=がパートナーを務めている。

 博士は訓練を積んで9月の大会でデビューすると、うれしそうにフリスビーを追い、優勝した。その後の2戦でも2位、優勝と、確実に成績を残している。

 現在は、パートナーが投げたフリスビーを持ち帰るだけで得点が加算されるレトリーブの大会に参加している。博士は空中でのキャッチもできるため、レトリーブで頂点を目指した後、さらに上のクラスに挑戦する予定だ。

■「殺処分ゼロ」へ支援を

 動物愛護NPO、他県の犬受け入れも

 佐賀県は「殺処分ゼロ」の方針で、動物管理センター(佐賀市)と犬猫譲渡センター(武雄市)を運営しているが、引き取り手がない犬や猫を中心に受け入れるNPO法人アニマルライブのような団体の活動が下支えをしている。全国にネットワークがあり、「博士」のように他県の犬を引き受けるケースもある。

 引き取った犬は、里親を募集したり、譲渡会に出したりして次の家庭を探すが、引き取り手を見つけることは難しく、かみ癖などで家庭犬にできない場合もある。アニマルライブの岩崎ひろみ理事長は「もう満杯で、これ以上は増やせない状況」と話す。

 近年は高齢の犬の引き取りが増えている。病気で治療や手術が必要になるケースもあり、1カ月で医療費(計6頭)が約25万円に上ったときもある。全国の協力者から援助を受けているが、運営は赤字が続く。

 岩崎理事長は「全ては人間の身勝手の犠牲。博士の活躍で、命を奪われる動物を減らす活動への理解が広がればうれしい」と支援を呼び掛けている。アニマルライブの連絡先は電話0955(27)1712。

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