発掘作業が進められている縄文早期の貝塚群=佐賀市金立町の東名遺跡=2005年2月

■国史跡指定前向き 参院文教科学委

 縄文時代早期で、国内最古の湿地性貝塚「東名(ひがしみょう)遺跡」(佐賀市金立町)の国史跡指定について、文化庁の有松育子次長は7日、「縄文時代早期の生活を知ることができる極めて貴重な遺跡」と評価した上で、文化審議会に諮る考えを明らかにした。佐賀市は2016年度の史跡指定を目指しており、16年1月の意見提出へ向けて準備を進めている。

 参議院文教科学委員会で、公明党の秋野公造議員の質問に答えた。秋野議員は「日本最古の網かごなど800点以上が出土した。教科書を塗り替える事例が含まれている可能性がある」と指摘し、国として文化的な価値づけを明確にするように求めた。

 有松次長は、東名遺跡が発見された経緯に触れ、「国内でも最古級の貝塚であり、日本では類例が少なく貴重だ」と説明した。

 現在、佐賀市教委が発掘調査の成果を報告書にとりまとめているとして「市教委は土地の所有者である国土交通省の了解を得た上で、史跡指定の意見を出す考えと聞いている。意見が出されれば、文化審議会に諮った上で適切に対処したい」と述べた。

 文化庁が国史跡へ前向きな姿勢を見せたことに、佐賀市文化振興課の谷澤仁主幹は「国会でこのようなやりとりがあったのは驚き。市としては吉報で、日本文化の源流を追う上での遺跡の重要性を説明していきたい」と国史跡指定に意欲を見せている。

 県内は吉野ケ里遺跡などの国特別史跡3件、国史跡21件が登録されている。

 ■東名(ひがしみょう)遺跡 佐賀市金立町にある縄文時代早期(約8000~7400年前)の遺跡。貝塚部分は2003年、巨勢川調整池の建設工事中に確認された。湿地性貝塚としては国内で最も古い。遺跡全体が厚い粘土層で包まれて遺物の保存状態が良好で、国内最古の木製編みかごなどが大量に出土し、縄文時代の生活様式や文化を知る上で重要な遺跡とされる。

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