小型無人機「ドローン」の活用が漁業で進んでいる。ドローンの高性能化で、病害監視や魚群探査のほか、これまで人間がしていた危険作業自体を代替するケースも出てきた。漁業の労働力不足の解消や生産性向上に一役買うと期待が広がっている。

 ソフトウエア開発会社オプティム(本店・佐賀市)は今秋、ドローンを使い、有明海で病害に悩む養殖ノリの生育管理の実証実験に乗り出した。

〈赤腐れ病発見〉

 有明海では海水の温度上昇などで発生する水カビの一種「赤腐れ病」の被害が深刻化している。佐賀県有明海漁業協同組合によると、秋に収穫する「秋芽(あきめ)ノリ」の県内販売額が昨年は例年の6割程度に落ち込んだ。

 オプティムは、ドローンで空から撮影した映像を人工知能(AI)で解析して赤腐れ病の発生を早期に発見し、対処につなげたい考えだ。今後は、ドローンを定期的に飛行させてノリの色などを分析し、生産者や漁協に異常の有無を知らせるまでの一連の流れの全自動化も目指すという。

〈害鳥対策や探査〉

 一方、川や湖の漁協が加盟する全国内水面漁業協同組合連合会(東京)は今年、アユやウナギなど淡水魚を食い荒らす害鳥カワウ対策のため、全国の約20県漁連にドローンを配備した。

 営巣状況の撮影や、巣作りを防ぐためにビニールテープを樹木に張り巡らせる作業を担う。ふ化させないようにドライアイスを巣に運ばせることも検討中だ。

 同連合会によると、ドローンを使うことで、作業が効率化したほか、ダム湖など危険な場所や人の手が届かない場所での作業も可能になった。

 また、海洋水産システム協会(東京)はカツオの魚群探査での活用方法を検討中だ。ドローン開発を手掛ける千葉大発のベンチャー企業、自律制御システム研究所(千葉市)などが協力する。同協会によると、従来のカツオ漁は最初に魚を狙う海鳥をレーダーで探索し、海鳥がいる海域まで船を移動させて魚群を探していた。

 カメラを搭載したドローンを先に海鳥のいる海域に向かわせて魚群の有無を確認できれば、船の燃料の節約や漁獲量の向上が期待でき、漁業者の所得向上が期待できるという。2018年度中の実証実験の実施を目指す。【共同】

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