国営諫早湾干拓事業を巡る長崎地裁での開門差し止め訴訟の和解協議で国が提案した有明海振興基金(仮称)案の取りまとめが、予定した月内には困難となっている。基金の運用方法や事業内容で折り合いがつかず、国と沿岸4県の漁業団体などが協議する有明海漁場環境改善連絡協議会を「開催できる状況にない」(佐賀県有明海漁協)という。

 農水省は、11月1日の和解協議までに各県や漁業団体から基金案の承認を得ようと、今月中の取りまとめを目指している。担当者は「調整が難航しているのは事実だが、月内の協議会開催に向けていま一歩努力する」と説明した。

 基金案を巡っては、和解勧告に沿って開門しないことを前提に協議を進める農水省と、訴訟とは関係なく実施される有明海再生事業として議論する漁業団体側などとの認識のずれが明らかになっている。

 佐賀県有明海漁協の田上卓治専務理事は「漁協としては当初からスケジュール感を持ち合わせていない。有明海再生に向け、時間をかけて協議したい」と話す。

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