廃炉を前提とした抜本的な見直し作業が続く日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅ(福井県)について、所管する文部科学省が、データ取得のための短期間の運転を条件に、2020年にも廃炉作業を開始する計画を検討していることが25日、分かった。

 もんじゅの具体的な廃炉開始時期に触れた文科省の計画案が判明するのは初めて。これにより従来の目標だった長期間の運転実現は完全に断念する。

 文科省は廃炉前に短期間の運転を行うことで今後の高速炉開発につなげるデータを取得したい考えだが、原子力規制委員会は再稼働に極めて否定的で、実現はほぼ不可能とみられる。

 計画案では、来年春ごろから規制委との調整や設備点検などの準備を進め、19年春ごろから9カ月の試験期間を設け、そのうち4カ月間、原子炉を運転する。長期間の運転に比べ、事故の危険性が低い上、東京電力福島第1原発事故後に安全対策を講じているため、文科省は新規制基準に適合させるための対応は必要ないとの見解。

 新たな燃料は製造せず、既存の燃料で炉心の安定性や事故対策などを確認する。並行して、廃炉に向けた施設の解体工程などを示した「廃止措置計画」の策定作業も進め、20年をめどに作業を開始する。

 文科省は、今月7日に開かれた高速炉開発会議で、もんじゅを長期間運転させる場合、16年間で少なくとも5400億円かかるとの試算を提示。関係者によると、短期間の運転であれば最大2千億円程度に抑えられるという。

 ■もんじゅ プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使い、発電しながら消費した以上のプルトニウムを生み出す高速増殖炉。実用化までの4段階のうち2段階目の原型炉で出力は28万キロワット。1994年に初めて臨界に達したが、95年にナトリウム漏れ事故を起こすなどトラブルが続き、運転実績はほぼない。政府が2010年にまとめたエネルギー基本計画では、もんじゅの次の実証炉を25年ごろまでに実現し、50年までの商業炉の導入を目指すとしていたが、もんじゅの抜本的見直しで不透明になった。12年に大量の機器点検漏れが発覚し、原子力規制委員会は事実上の運転禁止を命令した。【共同】

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