「女性の人口移動の動向が人口減少社会を読み解く鍵になる」と語った慶応義塾大の樋口美雄教授=佐賀市のホテルニューオータニ佐賀

 佐賀政経懇話会(佐賀新聞社主催)の10月例会が26日、佐賀市のホテルニューオータニ佐賀であり、慶応義塾大の樋口美雄教授(63)が人口減少と地域経済について講演した。若い女性が半減する可能性が高い「消滅可能性都市」といわれる全国の市町村の増加に伴い、税収減少や国内総生産(GDP)低下による国家の危機に警鐘を鳴らし、「地方は若い女性の移住者を増やすことが解決の鍵になる」と訴えた。

 総務省のデータでは、2008年までは人口が増加傾向にあったが、少子高齢化の影響で2040年には約1億700万人まで減少すると予想されている。樋口氏は、若い人が少なく、高齢者が2千万人を超える未来に対して「高齢者を労働力として考え、雇用機会を与える1億総活躍社会の実現が一助になる」と指摘した。

 佐賀県の人口は2040年には約68万人にまで減少する推計がある一方、20~30代の女性の多い鳥栖市は40年時点で約4%の増加が見込まれるとし、「高い利便性で他市からの人口流入も期待できる」と述べた。女性は、以前は地元志向が強かったが、都会への移住が増え、都市部人口が増える一因になっていると分析し、「若い女性を引き込むまちづくりが人口減少の対策になる」と語った。

 樋口氏は27日午前11時から嬉野市「大正屋」で開かれる佐賀西部政経セミナーでも講演する。

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