「町並みを生かすことでまちづくりの方向性が固まる」と話す西村幸夫教授=鹿島市浜町の呉竹酒造東蔵

 国の「重要伝統的建造物群保存地区」になっている鹿島市肥前浜宿の地区選定10周年記念事業が22日、同市浜町の呉竹酒造東蔵で開かれた。県内外から参加した関係者約150人が町並み保存の歴史を振り返り、次世代への継承を誓った。

 東京大大学院工学系研究科の西村幸夫教授が基調講演し、開発に突き進んだ高度経済成長期に逆行し、町並み保存の原点となった妻籠宿(つまごじゅく)(長野県)の取り組みを紹介。町並み保存のメリットとして「日本のまちづくりは(古い物を残そうとする)欧州と違い、行ったり来たりして修正が利かなくなる場合もあるが、町並みを生かす考え方で方向性が固まる」と語った。

 座談会には、石見銀山生活文化研究所(島根県)の松場登美所長、NPO法人八女空き家再生スイッチ(八女市)の中島宏典事務局長が招かれた。松場さんは「(電柱や自販機をなくすなど)引き算の町並みに皆さんが心を寄せる時代になった」などと語った。

 肥前浜宿は、かやぶき屋根の家並みが残る「浜庄津町浜金屋町」と白壁土蔵の建物が続く「浜中町八本木宿」の2地区からなり、いずれも2006年に伝建地区に選定された。

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