開門派の漁業者側弁護団(奥)が基金案について農水省と意見交換した=東京・霞が関の農林水産省

 国営諫早湾干拓事業の開門を求める漁業者側弁護団は27日、東京・霞が関の農林水産省で担当者らと意見交換した。月内に取りまとめるとしていた開門に代わる有明海再生のための基金案に関し、農水省側は「直前まで各方面と調整し、11月1日の和解協議では何らかのものを出したい」と語った。

 農水省農地資源課の豊輝久調査官は、基金案を成案としてまとめるためには、国や沿岸4県の漁業団体でつくる連絡協議会に諮る必要があると説明した。

 漁業者側が「これまでの協議で基金案に関して何も合意できていない」とただすと、豊調査官は「基金の大枠の方向性は一致していて、30項目ほどいただいた要望も9割が合意している」と反論した。

 基金案は、国が長崎地裁の和解勧告に沿って開門に代わる有明海再生策として提案しているが、その案の中身を話し合う4県連絡協議会で佐賀県や各漁協は和解協議とは関係がないという認識を示している。

 漁業者側が「和解協議と連絡協議会で別の基金案があるのではなく、一つしかないことが分かった。和解協議で案を拒否したら、実施されないのか」と確認を求めたが、豊調査官は「基金案は和解勧告に応じて提案したものだ」と答え、和解成立が実現の条件かどうかは明言を避けた。

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