原発の運転期間を原則40年と定めた原子炉等規制法の下、2016年は原子力規制委員会が関西電力高浜1、2号機と美浜3号機(いずれも福井県)の老朽3基の運転延長を認め、「40年ルール」の形骸化がはっきりした。17年は九州電力玄海3、4号機(東松浦郡玄海町)の審査合格が初頭に見込まれる。

 玄海の後に続きそうなのは関電大飯3、4号機(福井県)で、いずれも加圧水型。東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型の審査では東電柏崎刈羽6、7号機(新潟県)が先行していたが、地震による敷地の液状化で防潮堤が沈下する恐れがあることが判明、東電の対応に時間がかかっている。

 新潟県では16年10月の知事選で再稼働に慎重な米山隆一知事が誕生。6、7号機は審査に合格しても、再稼働への地元同意のハードルは高い。

 16年1~2月に高浜3、4号機、8月に四国電力伊方3号機(愛媛県)の3基が再稼働したが、高浜3、4号機は大津地裁が3月に出した運転差し止めの仮処分決定で、初の司法判断による停止に追い込まれた。

 伊方3号機を巡っても、広島、松山、大分の各地裁で運転差し止め訴訟や仮処分申し立ての審理が行われており、稼働中の原発を巡る今後の司法判断が注目される。

 運転延長が認められた3基について、関電は合計2千キロ超に及ぶ電気ケーブルを燃えにくい素材のものに交換するなどの安全対策に、現状で計4600億円余りを投じる計画で、金額はさらに膨らむ見通しだ。

 「40年ルール」の下では美浜1、2号機など古くて小さい5原発6基の廃炉も決まったが、電力会社が安全対策への投資と再稼働後の収益をにらみ、必要な対策を講じれば、延長できることが示された。

 今後、日本原子力発電東海第2(茨城県)が18年11月に、大飯1、2号機が19年3月と12月に、それぞれ運転開始から40年となる。規制委は40年となる1年3カ月~1年前に延長申請を出すよう求めており、原電は審査中の東海第2について、17年8~11月に運転延長を申請する計画だ。【共同】

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