脱輪した乗用車と列車が衝突した踏切。幅は狭く、踏切を中心にして道路がややS字カーブになっている=小城市三日月町樋口

事故発生地点

■非常ボタン設置は4割

 佐賀県内で今月、踏切事故が相次いでいる。いずれも車が踏切内で立ち往生して列車と衝突しており、ドライバーの死亡事故も発生した。踏切は生活道路の一部だが、場所によって幅が狭かったり非常ボタンが設置されていなかったりするなど危険もはらんでおり、細心の注意が必要だ。

 小城市三日月町樋口のJR唐津線の踏切では18日夜、乗用車が脱輪して普通列車と衝突した。現場は、踏切を中心にして道路がややS字カーブになっている。小城署によると、乗用車の60代男性は「踏切の左側に寄りすぎていたためハンドルを右に切ったら、逆に右前輪のタイヤが脱輪した」と話しているという。

 住宅街にある杵島郡白石町東郷のJR長崎線踏切では17日夜、乗用車が対向車と離合する際、左側の脱輪防止の縁石に乗り上げて動けなくなった。踏切の通行幅はぎりぎり離合できる程度の4メートル。乗用車を運転していた20代男性は車を降りて非常ボタンを探したが、設置されておらず、遮断機や警報機が作動してそのまま普通列車が来た。

 踏切で異常が発生した場合、通行量が多い市街地や線路が複線の区間では、列車の運転士に知らせる非常ボタンが設置されている。国土交通省は「列車の速度や交通量を踏まえ、必要に応じて非常ボタンなどを整備していくことが鉄道事業者の責務」としている。

 ただ、県内は単線区間や小さな踏切が多く、JR九州によると、県内の踏切約330カ所のうち、非常ボタンの設置率は4割程度にとどまる。くだんの事故現場の踏切にもなかった。松浦鉄道も県内の踏切50カ所で同様の措置を取るのは2割余りとなっている。

 県警によると、県内の踏切事故は年間数件にとどまるが、今年は10月に3件連続した。小城市牛津町上砥川のJR長崎線踏切では1日正午ごろ、軽トラックが踏切内で止まり、普通列車と衝突して運転していた男性(84)が死亡した。原因はよく分かっていない。

 JR九州は、非常ボタンがない場合、車に備えられた発煙筒での合図を促している。「ボタンがない場合は、踏切に記している連絡先に通報を」と話す。

 踏切でのトラブルは、列車の乗客への影響を含めて重大事故につながる恐れがある。県警交通企画課は、ドライバーに対しては一時停止や、横断先にスペースができるまで踏切の手間で待つなどルールの順守を求めている。

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