現場の若手生産者と実験も重ねながら、紅茶製造の手引きや紅茶の審査器具開発に取り組んだ県茶業試験場の山口幸蔵さん=嬉野市の同試験場

■「うれしの紅茶」ブランド化へ

 11月1日の「紅茶の日」に合わせ、佐賀県茶業試験場(嬉野市)が、県産茶葉を使った紅茶の製造技術を体系化した「紅茶製造の手引き」など研究成果を公表した。若手生産者との共同実験で得られたデータを基に、目指す香りや色に応じた発酵時間など、製茶工程の目安や基準を定めている。

 4~5月に収穫するうれしの茶の一番茶は、高級茶として需要が根強い一方、初夏に摘む二番茶は単価が低くなるのが現状。多様化する消費者の嗜好(しこう)に対応し、希少な国産紅茶「うれしの紅茶」のブランド化を生産者の所得向上につなげようと、2011年から研究を進めてきた。

 県内では「やぶきた」などの緑茶用品種が栽培の主流。紅茶用と比べて発酵が不足しやすいなどの特性があり、生産者の技術や気象条件などによる品質の差が大きかった。そのため、手引きでは、収穫した生葉をしおれさせて香りを引き出す「萎凋(いちょう)」の十分な頃合いを写真付きで解説。発酵工程では「やぶきた」と紅茶用品種の発酵時間による茶葉の色の変化の違いも示している。

 手引きは希望する生産者に配布し、昨年度の生産量は約8トンとほぼ倍増。平均単価も1番茶の平均とほぼ同じ2千円前後で安定した。同試験場の山口幸蔵研究員は「茶は県内の中山間地農業を支える大事な産業の一つ。より付加価値を高める研究を進めたい」と話している。

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