鳥栖-横浜M 前半8分、ドリブルで上がる鳥栖MF金民友(中央)=鳥栖市のベストアメニティスタジアム(撮影・鶴澤弘樹)

鳥栖-横浜M 前半22分、先制点を決める鳥栖MF金民友=鳥栖市のベストアメニティスタジアム

■「夢はかなう、またここに立つ」

 仲間、そして熱い声援を送ってくれるサポーターへの思いを左足に込めた。今季限りで退団が決まっている鳥栖の主将、MF金民友が、自らのベアスタ“ラスト”を飾る先制弾。引き分けに終わったが「この試合に悔いはない」と胸を張った。

 前半22分。MF福田からパスを受けてドリブルで持ち込み、エリア内のFW豊田をめがけて蹴ると、ボールはそのままゴールに吸い込まれた。「クロスだったけど、入ってよかった」と金民友。「俺が鳥栖の10番だ」と言わんばかりに、自らの背中を指さしてスタンドにアピールし、仲間からも祝福を受けた。

 今季は決して万全な1年ではなかった。開幕前、母国での兵役に向けてシーズン終了後に韓国に戻る可能性があることは分かっていた。そんな中で主将を任されたが、「どうやって立て直そうか考えていたら半分過ぎていた」。さらに相次ぐけがにも見舞われ、「休んでいる時間も長かった」。

 それでも強い責任感を前面に出し、仲間を鼓舞し続けた。この試合も得点を取った後、両足がつるまで走り続け、後半42分、「いい選手が入った方がチームのため」と18歳のMF石川に託した。

 出場したJ通算212試合「すべてが印象に残っている」という。愛くるしい笑顔で多くのサポーターの心をわしづかみにし、上達した日本語で地元ラジオ番組でパーソナリティーも務める。

 今や鳥栖の“顔”となった金民友。試合後のセレモニーで高らかに叫んだ。「またここに立てる日を夢見ています。夢は必ずかなう」。走り続けた10番。その勇姿を再び見ることができる日を、誰しもが待っている。

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