(競技中にJRバルーンさが駅近くの鉄道架線に引っかかた気球

鉄道架線に接触し、球皮が引っかかって動けなくなった気球

地上からロープで引っ張られる気球=いずれも佐賀市の嘉瀬川河川敷

 佐賀市で開かれている熱気球世界選手権で29日午前7時35分ごろ、ホンダグランプリ(参加25機)に出場した1機がJR長崎線の鉄橋欄干に接触し、球皮のワイヤが架線を支える柱にひっかかる事故が発生した。約10分後に気球は地上から引っ張られて着地した。搭乗していた2人を含め、けが人はなかった。

 実行委員会によると、搭乗していたのは西松浦郡有田町の梶山紋哉さん(64)とロシア人イゴール・ベルティプラコフさん(28)。午前7時15分ごろ、嘉瀬川河川敷から約4キロ北北東に離れた農道から離陸した。気球はJRバルーンさが駅から西に約50メートルの鉄橋欄干に接触、架線を支える柱に球皮を支えるワイヤがひっかかり、空中で10分ほど往生した。

 気球を操作していた梶山さんはパイロット歴30年のベテラン。同実行委によると、2つあるバーナーのうち1つのバーナーしか着火していなかったため、高度を上げることができなかった。梶山さんはバーナーの火力を上げて浮上を試みたもののうまくいかず、バスケットからロープを地上に落とし、十数人が引っ張って着地させた。

 この事故を受け、実行委はJR側と安全策を協議、今後、線路上の気球の最低高度を設ける方針という。

 事故の影響で、長崎線は鳥栖-肥前山口駅間で約2時間15分運転を見合わせた。特急、普通列車の上下線合わせて31本が運休、13本が遅れ、約1万3000人に影響が出た。

■にぎわう会場一時緊迫

 早朝から多くの来場者でにぎわっていた熱気球大会会場。救助中、「(ロープを)強く引っ張れ」「触ると感電するぞ」など叫ぶ声が飛び交い、現場は緊迫した雰囲気に包まれた。着陸してパイロット2人が脱出、球皮を破るようにして引きずり下ろし、引っかかっていたワイヤを切った。

 実行委PRメディアマネジャーの川副薫氏は、風の強さなど気象条件に問題はなかったとした上で、「パイロットの初歩的なミス。競技が始まる世界選手権でも、選手たちには改めて安全対策の周知を徹底したい」と話した。ホンダグランプリは30日まであり、世界選手権は31日から6日まで7日間、105機が競技する。今後の競技は予定通り実施する方針。

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