鍋島直正の人物像について語った徴古館の富田紘次主任学芸員=佐賀市の同館

 佐賀藩10代藩主・鍋島直正(1814~71年)について学ぶ講演会が29日、佐賀市の徴古館で開かれた。富田紘次主任学芸員が講師を務め、藩の近代化を他に先駆けて進めた名君の人物像に迫った。

 富田学芸員は、直正公が家族に宛てた手紙などを紹介しながら、そこからうかがえる素顔について語った。

 川越藩にいる長女貢姫への手紙には、健康を気遣う言葉がつづられながらも、「余計なことだと腹を立てないでください」とどこか遠慮がち。いつの時代も変わらない父と娘の関係が見てとれた。

 一方、長男の直大が初めて江戸に上るとき、はなむけに「文武両道を究め、何事にも動じない心を養う」という先祖代々の教えを漢詩にして送った。これに対し富田学芸員は「直正公の根底には伝統を大事にする心がある。新しい科学技術を積極的に取り入れたのは、伝統的な暮らしを西洋化の波から守るためでもあった」と話した。

 講演会は県生涯学習インストラクターの会「クリエイトさが」が毎年、「先達に学ぶ」と題して開いている。

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