無形文化遺産に登録するよう勧告された「唐津くんちの曳山行事」。大勢の観客が見守る中、お旅所の砂地に曳き込まれる13番曳山・鯱(手前)=2015年11月、唐津市の旧大成小グラウンド

 唐津神社の秋祭り「唐津くんちの曳山(ひきやま)行事」を含む18府県33件の祭りで構成する「山・鉾(ほこ)・屋台行事」を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の補助機関が無形文化遺産に登録するよう勧告した。2日の宵曳山(よいやま)から始まる唐津くんち。本番直前に入った「登録確実」の一報に、地元では喜びの声が広がった。

 唐津曳山取締会の大塚康泰(やすひろ)総取締(72)は「地域の伝統が専門的見地からの審査の結果、世界の宝としての価値を認められたものであり、大変光栄」とコメントした。登録されたのは曳山そのものではなく、祭礼行事としての曳山。唐津神社の戸川忠俊宮司(41)は「行事には日本人の生き方や日本文化が詰まっており、世界から評価されたのはうれしい。多くの人が協力しないと行事はできず、続けていかないとすぐに廃れてしまう。身が引き締まる思い」と述べた。

 「祭りは民衆が引き継ぐものであり、その中心が曳山。民衆と曳山。両方あるから長く続けられてきた」と語るのは曳山の保存修復委員会委員長を長年務める菊竹淳一九州大学名誉教授(77)。「登録は当然。曳山は世界で一番大きな動く漆の造形作品。今後は『世界のくんち』にもなり、その窓口にユネスコがなるのでは」と意義を推し量る。

 自ら曳き子でもある唐津市の坂井俊之市長も「誠にありがたく喜ばしい。『くんち』『曳山』に対する並々ならぬ愛着と伝統文化の保存継承にかける熱意、そして大変なご苦労があったと思う」と関係者をねぎらうコメントを寄せた。

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