無形文化遺産に登録するよう勧告された「唐津くんちの曳山行事」=2015年11月、唐津市の唐津神社

 文化庁に31日入った連絡によると、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の補助機関は唐津市の「唐津くんちの曳山(ひきやま)行事」、「京都祇園祭の山鉾(やまほこ)行事」など18府県33件の祭りで構成する「山・鉾・屋台行事」を無形文化遺産に登録するよう勧告した。ユネスコが11月28日からエチオピアで開く政府間委員会で審査するが、勧告は尊重されるのが通例で、登録はほぼ確実になった。【共同】

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 補助機関は33件の祭りについて「日本の地域文化の多様性を示している」と評価し、登録基準を満たしていると認めた。唐津曳山(ひきやま)取締会など33件にはそれぞれ保存団体があるが、ほかの地域には過疎や高齢化で継承が難しくなっている祭りもある。登録を機に意義が見直され、新たな担い手が生まれることが期待される。

 登録対象の行事は、地域の安泰や豊作などを願って住民が執り行う。木工や金工、漆塗り、染織といった伝統技術で飾った山車を引いて練り歩くのが特徴。多くは江戸時代が起源で、33件とも国の重要無形民俗文化財に指定されている。政府は「何世紀にもわたって維持され、地域の絆を強める役割を果たしている」と重要性を強調し、昨年3月に登録を申請していた。

 33件のうち「京都祇園祭」と「日立風流物」(茨城)は2009年にそれぞれ独立して無形文化遺産に登録された。政府は一つの遺産として登録し直す手法で対象行事の拡張を図った。このため「山・鉾・屋台行事」が登録されると日本の無形文化遺産は現在より1件減り、21件となる。

 政府は国の文化財に指定した祭礼行事や伝統工芸などを順次、無形文化遺産に申請している。18年には佐賀市の「見島のカセドリ」など8県の8行事をグループ化した「来訪神 仮面・仮装の神々」の登録が審査される。

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