熱気球が佐賀の空を彩る季節。19年ぶりの佐賀市開催となった世界選手権では、スタッフやボランティアが駆け回っています。

 「ほかの大学と比べ、近くに飛べる場所があることは本当に恵まれている」

 大会前、航空や宇宙飛行の発展に貢献した団体に贈られる国際的な栄誉賞を受けた佐賀大学の熱気球部。大会を支える梶原優輔主将の言葉は、風物詩になった光景の貴重さにあらためて気づかせてくれます。

 この空では11月8日、九州防衛局が米軍オスプレイのデモフライトを計画。自衛隊オスプレイの佐賀空港配備計画に絡む動きで、空港の軍事利用の是非を問う飛行にもなります。

 「(受け入れるかどうか)どちらかは分からないが、判断の時期はそんなに遠くないだろう」

 佐賀新聞のインタビューにこう答えた山口祥義知事に機影はどう映るのか。

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 鳥栖市出身の緒方孝市監督が率いるプロ野球・広島カープ。日本シリーズで敗れ、32年ぶりの日本一は果たせませんでしたが、指揮官は前を向いています。

 「失うものは何もなく、得るものばかりのシーズンだった。来季また日本一に挑戦する」

 来季へ気がはやる野球ファンも。佐賀東高出身の辻発彦さんが西武ライオンズの新監督に就任し、後援会の立花和幸さん(40)の期待は膨らみます。

 「来年の日本シリーズは『辻西武』と『緒方広島』で戦って県民を盛り上げて」

 サッカーでは名残惜しい別れも。J1サガン鳥栖で7年間主力だったMF金民友(キムミヌ)選手(26)は今季での退団を表明しました。

 「サガン鳥栖を愛しているし、離れることを考えもしなかった」

 韓国での兵役に向けての退団。どこにいても、心の風景は佐賀のピッチにとどまり続けることでしょう。

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 玄海原発では重大事故に備えた防災訓練がありました。3、4号機は原子力規制委員会の審査が大詰め。訓練は、再稼働前は最後かもしれませんが、参加した80代女性は不安げです。

 「私が飲んでいいのかどうか」

 安定ヨウ素剤に見立てたあめ玉が配られたものの、説明は乏しく、持病の薬との飲み合わせを気にして戸惑っていました。

 原発を巡っては、唐津市鎮西町串地区の一部住民が、使用済み核燃料を一時的に貯蔵する施設を誘致する要望書を市に提出したことが公になりました。

 「原発までの距離を考えると、乾式貯蔵施設が敷地内にあっても串地区にあっても同じ。それなら地域の将来のために耕作放棄地を使ってほしい」

 原発の対岸で疲弊している地域。要望は取り下げられましたが、国策への重い問い掛けも含んでいるような気がしてなりません。(年齢、肩書は掲載当時)

=ひと交差点 10月の語録=

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