ラッピングした試作車と吉原崇己社長。大型のインクジェットプリンター(中央)で装飾する=神埼市千代田町のジョイックスシステム

■自社、顧客車両に広告“印刷”

 冷凍食品輸送などを手掛ける神埼市のジョイックスシステム(吉原崇己社長)が、トラックやバスのラッピング事業を本格化させている。県内外の企業などから受注した製品や観光PR広告を専用プリンターで車体に印刷。タクシー、貸し切りバス事業に次ぐ収益源に育てようと、自社や顧客の車を活用した「走る広告」をアピールしている。

 密閉された同社倉庫で、大型のインクジェットプリンターが長さ10メートルほどのトラックの側面を何度も行き来する。真っ白な荷室にカラー塗料が少しずつ吹き付けられ、パソコンの画像と同じ絵柄に仕上がった。

 手掛けたのは神埼市の観光PR広告。市から提供してもらった写真データを加工し、自社トラックを装飾した。継続的な活用を市に提案するための試作車で、吉原社長(44)は「企業広告だと他社の商品を運べなくなるが、観光なら荷物を選ばない」。自治体への営業にも力を入れている。

 プリンターを導入したのは2年前。燃油高騰による収益悪化を受けて、全国に配送網のある自社トラックの有効利用を思い付いた。購入費約2千万円の半分は国の補助を活用。10メートル超のトレーラーにも対応しているのは県内で唯一、九州でも4機しかないという。

 ラッピングは市販の溶剤で簡単に消すことができ、何度も塗り替えられる。最短2日間で仕上がり、費用は60万~70万円。同社のトラックに広告を印刷する場合は別途月10万円の利用料を支払う仕組み。

 これまでに自社や大阪のトラックなど10件の印刷を請け負い、シオマネキとムツゴロウがデザインされた佐賀市営バスもその一つ。熊本の自動車部品メーカーからも依頼があるという。

 同社の年間売上高はグループ全体で約20億円。プリンターの増設も検討しており、数年後にはラッピング事業で7千万円の売り上げを目指す。吉原社長は「多角経営で会社の魅力を一段と高め、競争に勝ち残っていきたい」と話している。

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