安定ヨウ素剤の使用法や保管方法などの説明を聞き、薬剤を受け取る住民たち(手前)=東松浦郡玄海町の花の木公民館

 原発事故時の甲状腺被ばくを軽減する安定ヨウ素剤の事前配布が1日夜、東松浦郡玄海町で始まった。佐賀県と唐津市、玄海町が、九州電力玄海原発から半径5キロ圏内の住民約8千人を対象に実施。来年3月で使用期限が切れる配布済みの古い薬剤を回収して新しい薬剤を配るとともに、3歳未満の全乳幼児177人には開発されたゼリー状の薬剤を新たに事前配布する。

 初日は玄海町花の木地区の14世帯63人が対象で、世帯の代表者に11世帯53人分を配った。2年前の事前配布の経験から、医師や薬剤師、保健師との面談はスムーズに進んだ。ただ、配布済みの薬剤の保管場所が分からなくなり、受付で紛失届を提出する人もいた。

 ゼリー状の薬剤については、新生児にはお湯やミルクに溶かして飲ませることができる点が説明された。この日の3歳未満の対象者は1人のみ。2歳2カ月の孫娘の分を含め、家族8人分を受け取った山口清二さん(59)は「前回は3歳未満の幼児はどうするのかと思っていたので疑問は解消された。ただ、子どもが飲んでくれるのかという心配はある」と話した。

 薬の期限は製造から3年。古い薬剤の配布率は、2015年度末現在で66・2%にとどまる。県医務課は「対象者全てに受け取っていただきたい」と、今回は自分の住む地区以外でも受け取れる予備日を設けて配布率の向上に努める。

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