自民・福岡資麿参院議員(43)

■平和祈求、思いは同じ

 -憲法改正に賛成か。

 「改正は自民党の党是であり、私の考えも同じだ。ただ、憲法の三原則である国民主権、平和主義、基本的人権の尊重は維持すべきだとも思っている」

 -自民党は大規模災害や有事の際に首相の権限を強化する緊急事態条項の制定を検討している。

 「3年前に復興政務官を務めた。いざ緊急事態が起きた時、省庁間の調整を取ろうとしても、省庁ごとに権限を持つ現状では意思疎通がうまくいかず、対応が遅れてしまう事例がある。例えば米国には省庁を超えて指揮を発揮できる連邦緊急事態管理局(FEMA)のような仕組みがある。日本でも緊急事態条項を憲法に盛り込まなくていいのかと思っている」

 -今国会では自民党の憲法改正草案の取り扱いが焦点になっている。

 「草案は、党内で公の会議だけでも50回以上、それ以外の関係者会合も経て議論を積み重ね、保利耕輔氏が党憲法改正推進本部長としてまとめられた。改憲の論点はつまびらかになっている。しかし、これはあくまでたたき台。とらわれることなく、自由に議論できればいい」

 -野党側は国民の権利を軽んじ、国中心の書きぶりだと批判している。

 「私は立憲主義は大事だと思っている。野党が言うように憲法には時の権力者の暴走を縛る役割もある。一方、為政者を縛るだけで足りるのかという議論もあると思う」

 -憲法改正を悲願とする安倍首相を近くで見てどう感じるか。

 「首相も今国会の所信表明で演説したように、国会はあくまで発議する立場であって改憲の判断は国民に委ねられている。例えば、私は9条は今すぐ変える必要はないと思っているが、党内にもいろいろな考えがある。3分の2の理解を得て発議するのは相当にハードルが高い。首相が自分の考えを前面に出すことはないだろう。憲法は金科玉条のように指一本触れてはいけないものではなく、時代に応じて変わり得るものだということを国民に示したいのだと思う」

 -今夏の参院選を通して有権者の憲法改正への思いをどう感じたか。

 「今回の選挙から導入された『合区』によって佐賀県が単独で議員を選べなくなることを危惧する声はあった。ただ、改憲を訴える有権者があまりいなかったことを考えると、まずは生活の問題の方が関心は高いのかなと思う」

 「自民党支持者にも改憲に反対の人はいて、二度と戦争してはならないというのが一番の理由だ。その思いは私たちも同じで、9条を守ることがいいのか、日米同盟を強化して抑止力を高めることがいいのか、考え方の違いだ。憲法改正しても日本は平和の道を歩み続けるということを皆さんに理解してもらえる議論をしていきたい」

■略歴

 ふくおか・たかまろ 2005年の衆院選で初当選したが、09年に落選。10年の参院選で当選し、2期目。前内閣府副大臣。自民党人事局長。佐賀市。

■緊急事態条項

 自民党が憲法改正草案で提案した。大災害やテロが発生した場合、首相が緊急事態を宣言すれば権限が集中し、法律と同じ効力を持つ緊急政令を制定、国民の権利を制限できる。改憲論議の入り口として、まずは緊急事態における国会議員の任期延長問題が焦点になるとみられている。

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