レス・パーフィールド競技委員長に気象情報を伝える気象班チーフの内藤邦裕さん=佐賀市久保田町の競技本部

投下されたマーカーとターゲット中心の距離を計る計測班。後方に次のターゲットを目指すバルーンが飛ぶ=佐賀市の嘉瀬川河川敷

 佐賀市で開幕中の熱気球世界選手権は、延べ3500人のボランティアに支えられている。スカイスポーツで競技の質と安全性を高める重要な存在の気象班やターゲットとマーカーの距離を測る計測班、選手を地上から追う競技ドライバーなど、競技運営に不可欠なスタッフがボランティアとして奔走する。

 競技は日の出と同時に始まる。佐賀市久保田町の競技本部は、午前3時すぎに明かりがともり始める。一番乗りは佐賀大熱気球部を中心とした8人の気象班で、現地チームが送るデータを解析チームが読み込む。

 チーフを務めるのは気象情報サービス会社「ウェザーニュース」(千葉県)の社員で気象予報士の内藤邦裕さん(51)。佐賀大熱気球部の学生と解析し、競技の有無やタスク設定に必要な天気、風向きが時間や高度、エリアによってどう変わるか「客観的な情報だけを伝える」(内藤さん)。

 午前4時すぎ、本部に姿を見せたレス・パーフィールド競技委員長が内藤さんから飛行区域に関する最新の気象情報の説明を受け、タスク(競技種目)を設定する。5時45分、「ブリーフィング」と呼ばれる選手を含めた会議でタスクや気象データの資料を配り、午前のタスクを伝える。

 ブリーフィング直後、約40人の計測班が動き出す。地権者から事前に許可をもらったターゲット候補40カ所の中から、レス氏が設定した地点に長さ10メートル、幅1メートルの布2枚で×印を設置する。選手が投げたマーカーとターゲットの距離を1センチ単位で計る。

 フライト後、選手は気球に搭載したGPSの飛行データを本部に提出する。このデータを基にデブリファーと呼ばれるスタッフ20人がパソコン上で飛行を再現。選手の違反を直接監視するオブザーバー112人の報告結果と合わせ、採点班が得点を計算する。

 105機参加の今大会では、処理する飛行記録も膨大だ。競技初日は午前10時ごろから飛行データの処理を始めた。実施した全4タスクの暫定成績がインターネット上に表示されたのは午後6時ごろだった。午前、午後の2回フライトがあるため、これらの作業を午後も繰り返す。

 バルーン競技では、クルーが車で追い、パイロットに情報を送る。海外98チームが参加する今大会では、ボランティア83人がクルーの一員となって追走車を運転している。杵島郡白石町の谷口教明さん(62)は25年間、運転手として大会に関わってきた。今年は顔なじみのハンガリーチームのハンドルを握る。パイロットでもある谷口さんは「車のハンドルをバーナーと思って握る」。競技が終わる6日までクルーとして気球を追う。

=熱気球世界選手権=

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