不具合を乗り越え、行列に合流した14番曳山「七宝丸」。地元では修復総塗り替えを祝うもちまきもあった=午後4時半ごろ、唐津市江川町

 3日の唐津くんちでは、修復総塗り替えを終えたばかりの14番曳山(やま)「七宝丸」が、最終盤に行列に合流した。台車に不具合が生じ夜を徹して修理した。沿道や地元江川町では「よかった」「お帰り」と安堵(あんど)の歓声が上がった。

 七宝丸は30年ぶりの塗り替えで、1876(明治9)年の制作当初の姿に近づき、晴れの舞台だった。不具合は2日の宵(よい)曳山で起き、後輪の車軸が熱膨張で焼き付くトラブルが発生、行程を短縮した。

 その後、台車後部をフォークリフトで持ち上げて少しずつ進め、修理庫の「曳山の蔵」へ着いたのは午前3時。曳き子たちが一睡もせず、修理に当たった。

 3日は正午からのお旅所への曳(ひ)き込みには間に合わず、見物客からも心配する声が聞かれた。午後4時前、曳山の蔵から動き出し、お旅所前を経由して江川町に帰り着くと、待ちわびていた住民と一緒に「ヨイサー、ヨイサー」の大唱和が沸き起こった。

 吉村勝朗取締(55)は曳き子装束に着替える暇もなく、作業着のまま。ハンドマイクを握ると「みんなの力で(七宝丸を)持ってくることができました」と報告し、「あしたはいっぱい曳くぞー」と曳き子たちに呼び掛けていた。

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