甲府との今季最終戦を1―0で勝利し、サポーターの声援に応える金民友(左)ら鳥栖の選手たち=山梨中銀スタジアム

■戦術浸透、後半戦巻き返す

 守備安定、課題は得点力

 サッカー・J1サガン鳥栖は、今季リーグ戦を12勝10分け12敗(勝ち点46)の11位で終えた。就任1年目のフィッカデンティ監督の指揮の下、守備をベースとする細かい戦術を徹底。第1ステージは一時降格圏に沈むなど苦しんだが、後半戦で巻き返し、5年連続の残留を決めた。

 新指揮官は始動からチームの基盤づくりに取り組んだ。走り込みを中心にハードな練習を選手に課し、守備などの“約束事”を細かく指導。緻密な守備から連動性ある攻撃につなげる戦い方の構築を図った。

 ただ、その浸透には時間を要した。第1ステージは開幕戦を勝利で飾ったものの、その後は勝ちきれない試合が続き、わずか4勝。降格圏域の15位で折り返した。

 練習の成果が現れ始めたのは第2ステージからだ。開幕戦のFC東京戦でロスタイムに2得点する逆転勝ちで勢いに乗ると、以降6戦負けなしでステージ3位に浮上。中盤に浦和、広島に連敗してステージ優勝争いからは後退したが、J1の椅子はしっかり確保した。

 昨季54失点だった守備陣はリーグ4位の37失点と安定感を取り戻した。GK林が全34試合でゴールマウスを守り続け、好守でチームの危機を救った。DF谷口が守備陣を統率し、DF吉田も対人での強さを発揮するなど粘り強い守りを貫いた。

 一方の攻撃陣は、「5年連続15得点以上」の記録に挑んだFW豊田が13得点とけん引。2年目のMF鎌田が7得点と躍進し、新戦力のFW富山は後半戦だけで5点を決めた。ただ、総得点は昨季より1点少ない36でリーグワースト5位。得点力アップが上位進出への鍵になりそうだ。

 今季は豊田やMF高橋などほぼ固定メンバーで戦った。フィッカデンティ監督は「来季への土台はできた」と話すが、MF金民友(キム・ミヌ)の退団が確定し、夏には計9人が移籍した。来季のチームをどうつくるか。U-18からの昇格が内定したMF石川、FW田川らにも期待がかかる。

 ホーム戦1試合平均の入場者数は1万2460人で昨季より990人減少した。だが、4勝2分け2敗の後半戦は平均1万3200人に達している。来場者増にはホームでの勝利が不可欠だ。

 天皇杯は2年連続の8強入りを懸けて12日に広島と対戦する。難敵を下して悲願のタイトル獲得を果たし、来季へ弾みをつけたい。

【今季得点の内訳】

FW 豊田 陽平 13

MF 鎌田 大地 7

MF 金  民友 5

FW 富山 貴光 5

DF 谷口 博之 2

FW 池田  圭 1

FW 岡田 翔平 1

MF 高橋 義希 1

DF 藤田 優人 1

このエントリーをはてなブックマークに追加