JR長崎線肥前竜王駅に停車する特急かもめ20号(右)と93㍍まで接近し、緊急停止した同19号=22日午後1時20分ごろ、杵島郡白石町

 22日午後0時20分ごろ、杵島郡白石町坂田のJR長崎線肥前竜王駅で、下り特急かもめ19号が本線から待避線に進入、通過待ちで待避線に止まっていた上り特急かもめ20号の手前93メートル付近で緊急停車した。乗客約230人にけがはなかった。トラブルの影響で一部区間で最大6時間以上にわたり運転を見合わせ、ダイヤが大幅に乱れた。

 運輸安全委員会は事故につながりかねない「重大インシデント」と判断、鉄道事故調査官2人を現地へ派遣した。JR九州は「極めて重大な事案であり、原因を追究して再発防止に努めたい」としている。

 JR九州や国土交通省によると、下り19号は博多発長崎行き7両編成で乗客105人、上り20号が長崎発博多行き6両編成で乗客126人。長崎線は一部区間を除いて単線で、肥前竜王駅には列車の通過待ちのための待避線がある。

 同日午後0時10分ごろ、運転中だった下り19号の運転士が肥前竜王駅の手前で異音に気付いて緊急停車。異常がないことを確認して再出発した直後、予定していた本線ではなく、待避線に進入、待避線のホームに止まっていた上り20号との正面衝突を避けるため、非常ブレーキで停車した。上下線の特急は通常、肥前鹿島駅で行き違うが、下り19号が異音の点検で遅れ、ダイヤが乱れた影響で、行き違う駅を肥前竜王駅に変更した。下り19号は運転再開直後だったため、時速約35キロで走っていたという。

 JR九州は原因について「運転士と指令員が列車の停止位置を正確に把握できていなかった」との見方を示した。

 特急2本は調査や安全確認などで約6時間以上にわたって立ち往生し、乗客は停車から最大4時間半後にバスに乗り換えて周辺駅へ向かった。

 トラブルの影響で肥前山口-諫早間で一時運転を見合わせ、特急19本、普通13本が運休したほか、特急で最大6時間50分の遅れが出るなど17本が遅れ、乗客約6千人に影響が出た。

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