競技エリアで立ち上がり、離陸を始める色とりどりのバルーン=佐賀市の嘉瀬川河川敷上空

 佐賀熱気球世界選手権は6日、競技最終日を迎え、世界王座を目指して最後の戦いを繰り広げる。気流が安定して絶好の競技日和となり、一日の競技数として最多の6タスクを実施した4日、バルーンに搭乗した。穏やかな北東風に乗り、佐賀県小城市芦刈町方面へ約1時間。見上げていた競技を初めて空から見ると、目当ての風を読み、乗る難しさを感じた。

 パイロットが乗るバスケットの面積は1・32平方メートルで、半畳より少し広い程度。燃料のガスボンベも積んでいるため、気球のコックピット内はかなり狭い。午前6時40分、競技気球より一足早く嘉瀬川河川敷から飛んだ。

 北東の風に乗り、立ち上げ準備をする気球たちを初めて見下ろした。朝日差す緑の芝の上で、色とりどりのバルーンが膨らむ様子は花が咲いたように見えた。

 離陸から約5分後、あっという間に上空1000メートルに上がった。高度を維持するためにたかれるバーナーの「ボーッ」という音以外、何も聞こえない、無音の世界が広がっていた。

 パイロットの森幸弘さん(53)=佐賀市=が「もやが晴れてきましたね」と話す。視界がクリアになり、周囲を飛ぶ競技気球がよく見えるようになった。

 競技気球の動きに注目すると、一つ一つが別々の方向に移動しているのが分かる。位置と高度が違えば、乗っている風も違う。近くを飛んでいるのに互いに逆方向へ進む気球もあり、方向の違う風が複雑に入り乱れているのが見て取れた。いくつかの気球は、目的地へ向かう風を探そうと上下運動を繰り返していた。

 「おそらくあの辺りにターゲットがある」と森さん。急降下する気球たちの下を見ると、複数の気球が低空飛行し集まっていた。

 風は最後まで穏やかだった。心配だった着陸も、田んぼへ優しくバウンドさせるように行い、衝撃はなかった。競技を“見下ろす”楽しい時間はあっという間だった。(藤本拓希)

このエントリーをはてなブックマークに追加